こんな位置に穴開けてませんか?プロが気をつける“失敗しない”配管穴のセオリー
エアコン工事において見落とされやすい作業のひとつが「配管穴の開口」です。
「ただ壁に穴を開けるだけでしょ?」と思われがちですが、実はこの工程、意外にもトラブルの火種になりやすい重要ポイントなんです。
室内機とズレた位置に穴を開けてしまったり、角度を間違えたりすると、美観を損なうだけでなく、冷房能力の低下やドレンの逆流、水漏れといった深刻な問題に繋がることがあります。
今回は、ベテラン職人が実際に気をつけている「配管穴の正しい考え方と、失敗しないコツ」について詳しくお話しします。
穴位置がズレて生まれる“見えない損失”
まずは「穴の位置」について。室内機の芯と合っていない位置に穴を開けてしまうと、配管に無理な角度がつき、冷媒管が変形しやすくなったり、断熱材が破れて結露が起きやすくなったりします。
加えて、配管が室内側で大きく露出してしまうと、見た目も不格好でお客様に悪い印象を与えてしまいます。
新築やリフォーム直後のきれいな壁に、余計な“配管のうねり”が見えていたら、せっかくの内装が台無しですよね。
とくに最近は、「エアコンの見た目」までこだわるお客様も増えており、細かい部分で差がつく時代になっています。
配管角度を誤ると、ドレン水が逆流する危険も
次に注意したいのが配管穴の角度です。
基本中の基本ではありますが、必ず室内側よりも屋外側を低くするというルールを守らないと、ドレンホースの排水がうまくできずに逆流を起こします。
これが原因で起こる水漏れは非常に多く、量販店などでは「施工ミス」として厳しく指摘されることもあります。
特に気密性の高い住宅やマンションでは、ちょっとした勾配のミスがトラブルを招きやすく、再工事や現場クレームに繋がるケースも珍しくありません。
現場でよくあるのが、「ホールソーでまっすぐ穴を開けてしまい、勾配が取れていなかった」という失敗。角度にして約3~5度で十分ですが、この“わずか数度”の違いが結果に大きく影響します。
理想的な高さと位置決めのコツ
では、どこに穴を開ければ良いのでしょうか?
一般的には、室内機の取り付け位置を基準にして、背面プレートの指示に従いながら、配管穴の芯を下に5〜10cmほどずらして開けるのが標準的です。
このとき注意したいのは、外壁の素材や構造を把握した上で位置決めをすることです。
たとえばALC壁なら水切り位置や内部の鉄筋に配慮が必要ですし、木造住宅では筋交いや間柱に当たらないよう、事前の下地確認が欠かせません。
下地探知機や図面チェック、場合によっては“壁をノックして響きを確認する”という昔ながらの方法も有効です。
現場の状況を見極めながら、ベストな位置を瞬時に判断できるかどうかがプロの技です。
室内の仕上がりにも気を配るべき理由
配管穴の位置が正確であれば、配管が自然なラインで下りてきて、室内機周りがすっきり仕上がります。
この“自然さ”は、お客様にとっての満足度に直結するポイント。
逆に、ぐにゃりと曲がった配管や斜めに設置された室内機は、それだけで「この業者、ちゃんとしてないな」と思われてしまいかねません。
さらに、断熱処理が甘くなった部分から結露が発生し、壁にシミを作ってしまうこともあります。
これは“施工時の小さなズレ”が、後々大きなクレームや補修コストに繋がる典型例です。
外側の処理で信頼度が変わる
配管穴の処理は、外壁側でも手を抜いてはいけません。
特に注意したいのが防水処理とコーキングです。
屋外側の穴に隙間があるまま放置すると、雨水の侵入や害虫の侵入を許してしまい、建物全体に悪影響を与える可能性があります。
また、スリムダクトの位置がズレていると見た目が悪くなりますし、風の影響でダクト内に雨が入りやすくなります。
配管の通し方・曲げ方・固定方法まで気を配れるかが、職人としての「腕の見せどころ」と言えます。
穴を開けるその前に「想像力」が問われる
穴を開ける工程は、ただの力仕事ではありません。
その後の配管ルート、見た目、水の流れ、屋外の防水処理までをトータルで想像して最初の一手を決めるのが、本物のプロの仕事です。
「この位置に開けたらどう仕上がるか」「5年後、10年後もトラブルが出ない施工になっているか」
そんなふうに未来まで見据えて判断する“想像力”こそが、技術以上に求められる要素かもしれません。
まとめ:穴ひとつで評価は変わる
エアコン工事は「見えないところにこそ差が出る仕事」です。
穴を開ける位置や角度といった基本的な部分をしっかり押さえておくことで、結果的にトラブルが減り、お客様の満足度も高まります。
たったひとつの配管穴が、
「仕上がりの美しさ」も、
「機能性」も、
「信頼」も、
全部決めてしまうといっても過言ではありません。
これからの現場でも、どうか“たかが穴あけ”と思わず、一発勝負の精度ある施工を心がけていきましょう。
その積み重ねが、他社との差別化になり、次の依頼へと繋がっていきます。
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