うちは大丈夫?エアコン工事で“見えないリスク”──アスベスト問題を正しく知る
エアコンの取り付けや入れ替えの工事は、夏場を中心に依頼が集中し、多くの施工業者にとっても日常的な作業のひとつとなっています。特に戸建て住宅やアパート、オフィスビルなど、建物の種類を問わずエアコンの需要は年々高まっており、それに伴って現場のバリエーションも多様化しています。しかし、私たち施工業者がつい見落としがちな落とし穴の一つに、アスベストのリスクがあります。これはただの過去の話ではなく、今もなお多くの建物で潜在的な危険として存在し続けている非常に重要な問題です。
工事現場では何気なく行われる配管のための壁穴あけ作業や、室内機を設置するための天井材の加工といった工程の中に、アスベスト含有建材との接触が紛れ込んでいる可能性があります。これは決して大げさな話ではなく、実際に現場でアスベストを吸い込んでしまった事例や、それによる健康被害の報告も少なくありません。この記事では、アスベストにまつわる基本的な知識から、エアコン工事で注意すべきポイント、そして万が一の際の対応方法までを詳しくご紹介していきます。
古い建物ほど注意が必要なアスベストの存在
アスベスト、いわゆる石綿は、高い耐熱性と断熱性を兼ね備えた建材として、1970年代から2000年初頭にかけて建築業界で広く利用されていました。特に集合住宅や工場、学校など公共性の高い建物においては、天井材、壁材、床下材、さらには配管の保温材など、あらゆる箇所に使われていたことがあります。肉眼では判断できないことがほとんどであり、見た目ではただの建材にしか見えないため、現場での注意が必要です。
現在では法律により製造・使用が全面的に禁止されていますが、それはあくまでも新築に対する措置であり、既存の建物に残されているアスベストについては、そのまま使われているケースも多く存在しています。とくに2006年以前に建てられた建物では、アスベスト含有建材が使用されていた可能性が高いため、工事に入る前の段階から「この建物にはアスベストが使われているかもしれない」という意識を持って現場に臨む必要があります。
エアコン工事が関わるアスベストのリスクとは
エアコンの設置工事では、配管やドレンホースを通すために壁や天井に穴を開けたり、既存の配線を通すために天井裏にアクセスしたりすることがよくあります。こうした作業自体はごく一般的で、工事の流れの中では特に難しいものではありません。しかし、この穴あけ作業が、アスベスト含有建材を破損させてしまうきっかけとなり、空気中に微細な石綿繊維を飛散させるリスクを伴うということは、現場では見落とされがちな事実です。
一度空中に飛散したアスベストは、目には見えず、無味無臭であるため、作業員がその場で気づくことはほとんどありません。そして繊維が肺の奥に入り込むことで、将来的に深刻な健康被害につながる危険性があります。中皮腫や肺がんといった重大な病気が、10年、20年という時間をかけて発症するケースもあり、健康リスクとしては非常に厄介です。
また、万が一現場でアスベストが飛散した場合は、作業を中止せざるを得ず、現場全体の中断や施主とのトラブル、行政への報告義務など、多方面に影響を及ぼす可能性もあります。そうした事態を避けるためにも、事前に必要な確認と調査を行い、安全な作業計画を立てることが重要です。
法律で義務化された「事前調査」と施工業者の責任
2022年の法改正により、一定規模の改修・解体工事を行う場合には、アスベストが含まれている可能性のある建材に対して事前調査を行い、その結果を報告することが義務付けられました。これはエアコン工事にも適用されるケースが多く、たとえば築20年以上の建物で壁に新たな穴を開けて配管を通すといった作業は、すでに「調査義務の対象」となる可能性があります。
調査は、建築物石綿含有建材調査者と呼ばれる有資格者によって実施される必要があります。建物の設計図や過去の施工記録などを確認する書面調査から始まり、現場での目視確認、さらに必要があれば建材の一部をサンプリングし、分析を行うところまで含まれます。この調査結果は、行政機関に報告され、報告書として一定期間保管する義務も発生します。
施工業者がこれを怠った場合、法令違反として罰則の対象になることもあるため、「うちはエアコンしかやっていないから関係ない」という意識では済まされない時代になってきました。安全への配慮と法令順守は、私たち施工業者にとって避けて通れない責任であり、工事前の段階から意識しておくべき基本姿勢と言えるでしょう。
プロとしての対応が信頼につながる
現場での信頼は、工事の仕上がりだけでなく、その前後の対応で大きく変わるものです。たとえば、事前調査が必要な可能性があることを施主や元請けにしっかり伝える、調査が必要であれば適切な専門業者に依頼し、報告書の取得まで丁寧に対応する、アスベストが確認された場合は無理に作業を進めず、安全管理を優先するなど、ひとつひとつの行動が信頼構築の積み重ねになります。
また、万が一現場でアスベストが見つかった場合も、慌てず冷静に対処し、必要な届け出や除去作業の手配、関係者への報告などを適切に進めることができれば、「この業者はしっかりしている」「安心して任せられる」と感じてもらえるでしょう。現場での判断力と対応力が、そのまま次の仕事へとつながっていきます。
安全を守る意識が、選ばれる業者になるカギ
今の時代、ただエアコンを取り付けられるだけの業者では、継続的な依頼は得られません。安全性に配慮し、法律を理解し、現場でのリスクにも柔軟に対応できる施工業者こそが、選ばれる存在になっていきます。アスベストという目に見えないリスクに対しても、事前にしっかりと対策を講じる姿勢は、まさにプロフェッショナルとしての証です。
私たちは、こうした安全管理の徹底こそが、お客様からの信頼を築く最も大切な要素だと考えています。エアコン工事の現場で「安心して任せられる」と言ってもらえる存在であり続けるために、これからも最新の知識と法令をしっかりと理解し、どんな現場でも安全第一で対応してまいります。
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