熱中症になったら、すべてが止まる――現場職人が知っておくべき「予防」と「兆候」
夏の現場は、本当に過酷です。
朝の時点で30度を超える日も珍しくなく、太陽が真上に差す頃には体感温度は40度を超えることもあります。
エアコン工事という仕事は、建物の屋外・屋根の上・天井裏など、最も熱がこもる場所での作業が多く、想像以上に身体へのダメージが大きいです。
そんな中で一番気をつけたいのが、熱中症です。
現場に立つ皆さんは、こんなふうに思ったことはありませんか?
「自分は体力あるから大丈夫」「去年も倒れなかったし、今年も平気」――。
でも、熱中症は“慣れている人”ほど危険です。実は私もそのひとりでした。
今回はその経験をふまえて、熱中症の予兆・対策・そして周囲との支え合いの重要性について、リアルな目線でお話ししたいと思います。
あの日、現場で起きたこと――熱中症の実体験
忘れもしない、数年前の真夏のこと。
その日は朝から異常な暑さで、天気予報でも「熱中症警戒アラート」が出ていました。
とはいえ、スケジュールは詰まっており、現場も屋外の配管取り付け作業だったので、私はいつも通り作業を開始しました。
午前中は問題なく進んでいたものの、昼を回ったあたりから少しずつ「違和感」が出てきたんです。
最初はちょっとした頭痛。「昨日寝不足だったからかな?」と軽く考えていたのですが、次第に手の震えや吐き気、そして足元がふわふわする感覚に変わっていきました。
「これはまずい」と思った瞬間、足元が崩れてしゃがみ込んでしまいました。
自力では立ち上がれず、応援に来ていた同業の仲間が気づいてくれなかったら、たぶんそのまま救急搬送になっていたと思います。
熱中症は“突然”ではなく、“静かに忍び寄る”
この経験から分かったのは、熱中症は「突然倒れるものではない」ということです。
実際には、いくつもの「サイン」が出ているのに、自分でそれを無視してしまっているだけなのです。
私のように、「まだ大丈夫」「根性で乗り切ろう」という考えが命取りになります。
以下のような兆候が出ている時は、すぐに作業を中断してください。
- 立ちくらみ、めまい、目の前が白くなる
- 頭痛、ズキズキと脈打つような痛み
- 吐き気、食欲不振、腹痛
- 急に汗が止まる、皮膚が乾燥して熱い
- 手足のけいれん、指先の震え
- 「おかしい」と思う自分の直感
特に「汗が止まる」のは危険信号です。身体がもう熱を放出できなくなっている状態です。
この状態で無理をすると、次は意識障害や失神が待っています。
今すぐできる!熱中症予防の実践ポイント
「体調管理も現場力のうち」。これは今の自分の信念でもあります。
熱中症対策は、日頃の準備と現場でのちょっとした工夫で、かなりリスクを減らすことができます。
① 水分は「ちょこちょこ、こまめに」
のどが渇く前に飲むのが鉄則です。ペットボトル1本を一気に飲むのではなく、20分〜30分に1回、コップ一杯ずつ飲むのが理想的です。
現場でよくあるのが「一気飲みして、その後汗が止まる」という失敗。これでは吸収効率も悪く、かえって危険です。
② 塩分とミネラルの補給も忘れずに
水だけではダメです。塩タブレット、梅干し、スポーツドリンク、経口補水液(OS-1など)を持ち歩きましょう。
熱中症は「低ナトリウム血症」という塩分不足からくるものが多く、これが原因で意識を失うケースもあります。
③ 服装・装備を工夫する
空調服の着用は本当に効果があります。最近はファン付きのベストや、首元を冷やすアイスネックリングなども普及しています。
「暑くても作業服一枚」でなく、身を守る装備を惜しまず使うことが、長く現場で働くための鍵です。
④ 朝の体調チェックと朝食
「今日は体がだるいな」と感じたら、思い切って休む決断も必要です。
また、空腹のまま現場に出ると体力の持ちが段違いに悪くなります。
朝食は必ず食べること、特に糖分とタンパク質をバランス良く取ることがポイントです。
仲間の存在が、命を守る
熱中症は「ひとりで働いている現場ほど危ない」と言われます。
一人親方の方や、小規模な現場での作業が多い方こそ、危機感を持ってください。
理想は、「あれ、ちょっと顔色悪くない?」と気づける仲間がいることです。普段から「水飲んだ?」「休もうか?」と声を掛け合うだけでも、全然違います。
また、元請けや協力会社が「休憩をしやすい雰囲気」をつくることも大切です。
作業効率を優先するあまり、無理なスケジュールを組んでしまうと、結果的に誰かが倒れて現場全体が止まってしまうという本末転倒な結果になります。
まとめ:自分の命を守ることが、職人としての責任
エアコン工事は、確かな技術が求められる「手に職」の仕事です。けれど、どれだけ腕が良くても、健康を崩してしまえばそこで終わりです。
私たちは「体が資本」です。だからこそ、熱中症対策は面倒な義務ではなく、現場で活躍し続けるための戦略の一つなのだと捉えていただきたいのです。
今後、当社と一緒に仕事をしてくださるエアコン協力業者の皆さんとも、「安全第一」「無理しない」「声を掛け合う」現場づくりを目指しています。
夏の現場で倒れず、家族のもとへ元気に帰る。それがプロフェッショナルの第一歩です。
私たちにとってエアコン業者様は、なくてはならない大切なパートナーです。
事業を拡大し、成長し続けるためには、弊社の努力だけでは足りません。
協力業者様と連携・協力ができて初めて、業績を伸ばしていけるのです。
協力業者様とお客様、お取引先様、弊社、全員がプラスになるような、Win-Winの関係性を最も重要視しています。
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