油断大敵!エアコン室外機の二段置き・ベランダ設置で見落とされがちな施工トラブル
エアコン工事の中でも、限られた設置スペースをどう有効活用するかという課題は常について回ります。その中でも特に注意が必要なのが「室外機の二段置き」や「ベランダへの設置」です。見た目にはスッキリと収まっていても、設置方法を一歩間違えると振動トラブルや落下事故のリスクが生まれ、思わぬクレームに発展してしまうケースもあります。
今回は、ベランダ設置・二段置き施工で起こりがちな“落とし穴”と、それに対して現場で実践できる対策の考え方について詳しく掘り下げていきたいと思います。
室外機の落下リスクは「気付かない緩み」から始まる
二段置き架台を使って施工する現場では、上段の室外機を高所に設置するケースが多くなります。見た目は問題なくても、数年後の緩みや経年劣化によって、固定ビスが緩んでいたり、アンカーが抜けかかっているといった状態になることがあります。
特に、台風や強風が吹いた翌日などに「室外機がグラついている」といった報告を受けることは珍しくありません。住宅街では万が一の落下が命に関わるケースもあるため、設置の段階から長期的な安全性を見越した固定力を確保する必要があります。
単に“載せただけ”の施工や、アンカーを打っていない不安定な設置は、重大なトラブルの引き金になりかねません。
振動が引き起こす「音の苦情」は地味に厄介
ベランダ設置でもう一つ多いのが、室外機の振動音に関するクレームです。振動は、目に見えないだけに軽視されがちですが、コンクリートや鉄製の手すりを通して室内に響きやすく、「ゴーッという音が夜になると気になる」「壁を伝って音が鳴る」といった声に繋がります。
特に最近の住宅は気密性が高いため、わずかな振動でも音が反響しやすい構造になっており、深夜のタイマー運転などで発覚することも多いです。設置後すぐではなく、しばらく経ってから苦情が入る場合もあるため、事前にしっかりと防振対策をしておくことが肝心です。
防振ゴムの厚みや質、設置面の材質、ボルトの締め加減によっても効果は変わってきます。ただ取り付けるだけでなく、「響かない・揺れない」を意識した施工が求められます。
現場によって架台選びは変わる
「二段置き架台」と一口に言っても、使う現場によって適したものは変わってきます。標準的なスチール製架台をそのまま持って行っても、以下のような理由で施工がうまくいかないケースもあります。
- ベランダの床に傾斜がついていて水平が取れない
- 隣家との境界が近く、サイズが合わない
- 耐荷重が不足していて上段に業務用室外機が載せられない
- アンカーを打てない素材(防水層やタイル床)だった
このように、現場環境に合わせて架台を選定・加工できるかどうかが、トラブルを未然に防ぐ大きなポイントとなります。
場合によってはL字アングルを現場で切断・溶接する必要もあるでしょうし、支持金具の追加で補強を施すケースも出てきます。施工力だけでなく、柔軟に対応する「引き出しの多さ」が問われる部分です。
意外と見落としがちなのが“配管のストレス”
二段置き工事の際には、配管の取り回しも重要です。特に上段の室外機は、配管長がギリギリになりやすく、無理な曲げやテンションがかかると、後々の冷媒漏れやフレアの割れにつながる恐れがあります。
また、勾配が確保できていないとドレン水の逆流や詰まりが発生することも。最悪の場合、壁の中で漏水が発生し、建物への損害や賠償トラブルにも発展します。
そうならないためにも、
- 配管の余長は十分に確保する
- 強い曲げ加工は避け、余裕のあるルートを確保する
- ドレン勾配を明確に取る(5/100以上が目安)
といった、丁寧な配管設計とルート取りが重要です。
安全第一の施工が信頼につながる
最後に強調したいのは、「事故を起こさない施工」こそが一番の営業ツールになるということです。
我々が手掛けるエアコン工事は、ただ“機械を設置するだけ”ではありません。その後数年、十数年と、お客様の暮らしや建物に関わり続ける仕事です。見た目をきれいに仕上げるのはもちろん、見えない部分まできっちりと安全に施工する意識があるかどうかで、次の仕事の評価も変わってきます。
また、量販店や元請けとの関係においても、「安心して任せられる職人だ」と感じてもらえるかどうかは、こうした日々の仕事の中にあります。
おわりに
エアコンの室外機設置、特に二段置きやベランダ設置といった限られた空間での工事は、想像以上にリスクのある作業です。少しの油断が、後々の大きなトラブルやクレームにつながることを忘れてはいけません。
安全性、音の問題、構造との相性、メンテナンス性など、あらゆる角度から現場を“読む”力が、プロの職人としての信頼を築いていきます。
今後もお客様のため、そして自分たちの仕事を守るために、「施工前のひと工夫」「安全確認のひと手間」を大切にしていきたいですね。
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