年間を通じて差が出る!エアコン取り付け依頼のタイミングとその攻略法
エアコン工事の仕事は、ただ「忙しい時に頑張ればいい」というものではありません。
実は、依頼の入り方には明確な“波”があり、その波に上手く乗れるかどうかで、年間の収入や業務効率に大きな差が出てきます。
では、エアコンの取り付け工事は年間を通じてどのような動きを見せるのか。
そして、それぞれの時期にどんな対策をしておくべきなのか。工事業者として押さえておきたい“年間の流れ”を、実体験をもとに解説していきます。
春は静かに始まる“仕込みの時間”
3月から5月にかけては、エアコン業界にとっては比較的落ち着いた時期。冷房も暖房も使わない“中間期”のため、依頼件数はやや少なめです。
ここで「仕事が減ったな」と感じて何もしないでいると、夏の繁忙期にバタバタすることになります。
この時期はまさに「準備と仕込み」に最適。工具の整備や車両の点検、倉庫の在庫チェック、施工マニュアルの見直し、新人の現場慣れなど、あえて時間を取ってやるべきことが山ほどあります。また、営業活動にも力を入れやすい時期です。過去に施工したお客様に向けた点検提案や、取引先への訪問、ホームページやSNSでの情報発信も、この春の時期にしっかり種をまいておくと、夏に結果として返ってきます。
夏は“体力勝負”の超繁忙期
6月から8月、いわゆる夏のピーク時期に入ると、エアコン取り付けの依頼が一気に跳ね上がります。
気温が上がることで「すぐに付けてほしい」「昨日までは平気だったけど今日から暑すぎる!」という“急な依頼”が非常に多くなるのがこの季節の特徴です。
この時期に備えて、いかに春から予定を組み、スタッフを手配し、資材を確保しておけるかで、対応力が大きく変わります。
ドタバタと現場をこなすだけではなく、依頼の優先順位をどうつけるか、作業効率をどう上げるかなど、現場ごとに最適な動きを取る必要があります。
また、室外機の置き場や配管ルートが難しい案件が増えるのもこの時期。
現場判断力や経験が求められるので、施工スタッフの質が大きく問われる場面も多くなります。
秋は“次”につなげるステップの季節
9月に入ると徐々に気温が下がり、エアコンの稼働も落ち着いてきます。
ピークが過ぎたことで、工事の依頼件数も減少傾向になりますが、実はこのタイミングでもしっかりとした動きが必要です。
秋には、夏に酷使したエアコンの点検やクリーニングの相談、機種の入れ替えなどが発生します。
特に店舗や施設管理者、賃貸オーナーからの相談が多いのもこの時期の特徴です。また、新築戸建てやリフォーム物件への設置依頼も多く、現場の数自体は少なくても単価が高めな案件が入ることも少なくありません。
さらに、秋は「振り返りと改善」を行う大事な時期でもあります。繁忙期中に発生したトラブルや非効率なオペレーションを振り返り、社内での改善ミーティングを行っておくことで、次の繁忙期が格段にスムーズになります。
冬は“静かに育てる”戦略の時間
12月から2月の冬の時期は、多くの業者が「暇だな…」と感じる季節です。
確かに冷房需要はゼロですし、暖房としてエアコンを使う人はまだ一部。取り付け件数自体も大きく減少します。
しかし、この時期にまったく動かないのは非常にもったいないです。
むしろ、長期的な視点で考えると、冬こそが“育成と仕込み”のゴールデンタイムなのです。
例えば、新人教育に力を入れる、社内ルールを見直す、協力業者との関係を深める、ホームページのSEO対策を強化する、SNS投稿の質を上げる、など、現場以外の部分に注力する絶好のタイミングです。また、法人との定期契約や大型施設案件を狙う営業活動も、他社が動いていないこの時期にこそ優位に働きます。
さらに、寒冷地では暖房目的の高性能エアコン需要が意外と多く、霜取りや室外機トラブルによるメンテナンス相談も発生します。これらをうまく拾えるかどうかが、閑散期の売上確保につながるポイントです。
季節を味方にすれば、工事業者として“強く”なれる
エアコン取り付けの仕事は、ただ夏にがむしゃらに働くのではなく、1年を見通して「どの時期に何をすべきか」を把握し、それに合わせて戦略的に動くことが大切です。
どの時期にもチャンスがあり、やるべきことがあります。春は仕込み、夏は全力対応、秋は振り返りと営業強化、冬は育成と戦略。こういった動きをしっかりと習慣化していくことで、突発的な忙しさや不安定な収入に左右されず、安定して仕事を確保する土台をつくることができます。
今後も、年間を通しての動き方を意識しながら、一つひとつの仕事に丁寧に向き合っていくことが、業者としての信頼と安定につながっていくと、強く感じています。
私たちにとってエアコン業者様は、なくてはならない大切なパートナーです。
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